ISO9001取得に向けてコンサルを利用する場合の選び方

ISO認証取得コンサルは、現在数多くの競合他社が存在しています。そのため、ISＯ認証の取得にあたってコンサルを利用する場合、慎重な選定が欠かせません。本記事では、ISO9001の認証取得にコンサルは必要なのか、コンサル選びのポイントは何なのかについて詳しく解説します。ぜひご一読ください。

ISO9001認証取得にコンサルは必要？

ISO9001認証の取得にあたっては、コンサルタントのサポートを受けながら品質マネジメントシステムを構築していくことが、現在では一般的かつ効果的な方法とされています。

ISO9001は国際的な品質管理の基準であり、その規格要求事項は専門的かつ複雑で、初学者にとっては理解が難しい部分も多く含まれています。こうした点において、コンサルタントの存在が大きな支えとなることでしょう。

具体的なメリットとしては、ISO9001の規格要求事項の解釈について、コンサルタントが噛み砕いて説明してくれます。これにより、関係者全員が規格の本質を正確に理解することが可能です。

これは、システム構築の精度を高め、運用段階でのミスや見落としを減らす効果があります。次に、規格が求める文書や記録についても、どのように作成・管理すればよいのかを具体的にアドバイスしてもらえるため、効率的かつ的確に必要な資料を整えることができます。

そして、構築した品質マネジメントシステムが規格に適合しているかを第三者の視点からチェックしてもらえるため、不備や抜け漏れがあれば事前に是正することが可能です。ただし、コンサルタントの支援を受けるには当然ながら費用が発生します。

そのため、ISO9001認証取得プロジェクトの予算には、あらかじめコンサルタントへの報酬を含めておくことが望まれます。結果として、コンサルタントの活用は費用対効果の高い投資となり、スムーズな認証取得と運用の安定化に寄与するでしょう。

コンサルの選び方のポイント

ISO9001認証取得に向けてコンサルティングサービスを活用する場合、その選び方は非常に重要です。コンサルティング会社によって提供するサービス内容や対応の質が異なるため、自社に合った支援が受けられるかどうかを見極めることが必要です。とくに以下のようなポイントを中心に確認することで、効果的な支援を受けることができます。

勉強会の有無

まず、ISO9001規格要求事項の勉強会が実施されるかどうかを確認しましょう。ISO9001の規格はさまざまな業種に適用できるよう抽象的に記述されており、その内容を自社の業務にどのように落とし込むかが最大の課題です。

そのため、単なる条文の説明にとどまらず、自社の業種特性に合った解釈や事例紹介を行ってくれる勉強会が望まれます。

勉強会の対象範囲もサービスによって異なるため、契約前に内容を確認しておきましょう。また、自社の業界に精通したコンサルタントが担当するかどうかも重要な確認ポイントです。

品質マネジメントシステムの分析支援

次に、品質マネジメントシステム（QMS）の分析支援も重要な項目です。組織によっては、既存の経営体制をISO9001の枠組みに適合させるには多大な時間と労力が必要です。そのため、現状の体制を可能な限り活用しつつ、不足部分のみを新たに構築する「差分分析」が必要になります。

こうした分析は社内だけで行うのは難しいため、コンサルタントの支援が不可欠です。業務フローや文書体系を理解した上で、どこをどのように改善すべきかを具体的に提案してくれるコンサルタントが望まれます。

とくに業界に不慣れなコンサルタントが担当すると、的外れなアドバイスや運用上の齟齬が生じるリスクがあるため、自社業界に関する実績や経験も事前に確認すべきです。

文書・記録の作成支援

さらに、文書や記録類の作成支援も確認するべきポイントです。ISO9001では文書化が求められており、初めて認証を目指す企業では一から文書や記録を整備する必要があります。

形式的にはネットや書籍からひな形を入手できますが、実際には自社の業務内容に合わせた記述と運用設計が必要であり、経験豊富なコンサルタントのサポートが効果的です。

サービスとして文書類の作成を代行してくれるのか、アドバイスにとどまるのかも確認しておくと、後々のトラブル防止になります。

また、2015年版の規格では品質マニュアルの作成義務はありませんが、社内への理解促進や整合性の確認のためにあえて作成するケースも多いです。これに対応できるか確認しておくと良いでしょう。

内部監査

内部監査の支援についても要チェックです。ISO9001の認証には内部監査の実施が必須であり、未経験の企業では戸惑うことも多いことでしょう。内部監査員の資格取得だけでは実践的な監査は難しいため、コンサルタントによる研修や運営代行の活用が効果的です。

とくに監査の中でも「有効性の確認」は高度な分析が求められ、単なるルールの順守確認にとどまらない視点が必要です。したがって、実施の流れやチェックポイント、評価方法についても具体的に指導してくれるかどうかを確認するのが望ましいです。

まとめ

ISO9001認証取得において、コンサルタントの活用は複雑な規格の理解を助け、システム構築や文書作成、内部監査の実施など各段階で高い効果を発揮します。ただし、その成果を最大限に引き出すには、自社の業種や業務内容に精通したコンサルタントを選ぶことが極めて重要です。勉強会の有無や品質マネジメントシステムの分析支援、文書・記録作成の対応範囲、さらには内部監査への支援内容まで、事前にしっかり確認することで、失敗のないパートナー選びが可能になります。

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