ISO認証を取得するまでの大まかな流れをチェック!
ISO認証という言葉は知っていても、規格の種類や取得方法を理解していない人が多いのではないでしょう。この記事では、ISOマネジメントシステム規格の種類と、ISOの審査でチェックされる項目について詳しく解説します。ISO認証を取得するまでの大まかな流れも紹介するので、取得を考えている方は参考にしてください。
ISOマネジメントシステム規格の種類
ISOマネジメントシステム規格はたくさんの種類があります。代表的なマネジメントシステム規格をいくつか紹介します。
品質マネジメントシステム
顧客満足を満たすことを目的としていて、品質のよい商品やサービスを提供するためのしくみです。品質を高めるためのマネジメントシステムですが、製造業だけでなくどのような業種でも認証は可能です。
環境マネジメントシステム
企業が営業活動をしていく中で、環境保全に関する取り組みを行っていくための仕組みです。環境に与える影響を減らすための規格であり、品質マネジメントシステムとセットで取得する企業が多いようです。
食品安全マネジメントシステム
食品衛生管理手法を基にして、安全な食品を供給するための仕組みです。すべての食品関連事業者を対象としています。
医療機器・体外診断用医薬
医療機器・体外診断用医薬の品質を維持とリスクを軽減するための仕組みです。医療機器の製造や販売をする事業者を対象としています。ISOは、産業別の規格も設けられています。
ISOの審査でチェックされる項目
ISOは複数の種類があるので、審査でチェックされる項目はそれぞれ異なるのです。そのため、何をチェックされるのか断言することはできません。
まずは、何を目的としてISO認証を取得したいのか明確にしておくことが重要です。代表的な規格である品質マネジメントシステムのチェック項目について紹介します。顧客満足度は高まったのか、不良品は減ったのか、顧客からの要望は反映できているのか、クレーム対策が実行できているのかが主なチェック項目になります。不良品が多いかが問題ではなく、改善するためのしくみが構築されているのかが重要です。目標が達成できていない場合には、原因や改善方法を改めて考えていく動きがあることが大切です。いずれも規格に沿って運用されていることが重要であり、マネジメントシステムが会社の業務に合っているのかをチェックされるでしょう。
反対に審査に落ちてしまう基準は、審査費用を支払ってしない、内聞監査が不充分である、マネジメントレビューを怠っている、指摘を受けても改善が見られないことです。念入りに準備していたとしても、ほとんどの企業は審査の際に指摘を受けます。指摘を受けたからといって審査に落ちる訳ではありません。指摘された箇所を迅速に改善することが重要です。
ISO認証を取得するまでの大まかな流れ
ISO認証を取得するまでの流れを、審査準備、本審査、認定後に分けて紹介します。事前に全体の大まかな流れを把握しておくことで、スケジュール調整や段取りを決められるでしょう。準備は通常業務の間に行うことになるので、効率的に行えるようにしましょう。
審査準備
始めに行うのは、認定範囲を特定することです。企業全体で認定を取得する場合もありますが、中には一部の事業だけ認定を取得する場合もあるでしょう。事業や拠点が複数ある場合には、対象とする事業や拠点を特定しましょう。特定したら全体の予定を把握します。次に組織体制を明確にしましょう。推進責任者を選定し、現状の業務を洗い出します。ISOの規格要求事項とのギャップを分析し仕組化、運用します。その後、改善ができているのかを確認し、結果をレビューまで行ったら審査準備は終了です。
本審査
最初は書類審査から行います。規格としくみにズレはないのかを確認するのです。書類審査に問題なければ第2段階の審査に進みます。要求に沿って運用されているのかのチェックを行います。不適合指摘を受けてしまった場合には、迅速に改善するようにしましょう。第2段階の審査が通過できれば、ISO認定を受け登録証が授与されます。
認定後
認定後にも定期的に審査を受けることになります。認定時に行っていた項目が正しく運用されているのか更新審査と維持審査を受けましょう。更新審査は3年に一度、維持審査は1年に1~2回となります。受け続けることでISO認証企業となるのです。失効してしまうことがないように、ISOから通知が届いたら、必ず対策し審査を受けるようにしましょう。
まとめ
ISOマネジメントシステムは、規格によって審査のチェック項目は異なります。いずれの場合も指摘箇所に対して迅速に改善することが重要なポイントです。目的に沿った準備や対策をすることも大切です。認証を取得するためには、事前準備や2度の審査、更新審査、維持審査など時間や手間がかかります。その分、企業としては業務を改善したり信頼を得たりする効果が期待できるでしょう。ISO認証を取得する作業を効率よく進めるためにも、規格の種類や審査の流れをしっかり把握しておくことが大切です。