初心者向けISO入門編!ISOの基本を分かりやすく解説!
イギリスが発祥のISOは、ヨーロッパはもちろんアメリカなどの北米、さらに韓国や日本などアジア圏にも広まっており、今や世界中で浸透しているグローバルライセンスの一つです。世界基準のISOを取得していることで、クライアントに対して信頼感を与えることができ、新しいビジネスにつながる可能性があります。今回はISOの基本を解説します。
そもそもISOとは
ISOというのはInternational Organization for Standardizationの略であり、日本語では国際標準化機構と呼ばれているようです。国際標準化機構はスイスジュネーブに本拠地を構えており、中立的な立場から国際標準規格を認定している非営利組織の一つです。
そもそも、ISOといってもISO規格にはさまざまな種類があります。たとえば、ISOのモノ規格ではクレジットカードや用紙などのサイズを定めています。代表的な例を挙げるとクレジットカードが分かりやすいかもしれません。クレジットカードは日本で発行されたものであっても、海外で使用できますよね。
それは、ISOが国際標準規格を定めており、各カード発行会社はISOが定めたサイズに則ってクレジットカードを作っているからです。そのほか、A4用紙やA3用紙も世界共通であり、国際標準規格の一つです。
トイレや車イスマーク、エレベーターや非常口などを表す標識や看板もISOで規格が定められています。つまり、国際的な標準規格によって、世界中どこにいても不便なく生活できるような仕組みが作られているのです。普段何気なく目にしているエレベーターのマークや喫煙所のマークなどもISOが定めているので、海外旅行に行ったときや日本に来ている外国人観光客も一目でわかるようになっています。
また、ISOにはモノ以外にもマネジメントシステム規格認証というものがあります。モノ規格とは異なり、企業や組織などでの取り組みをルールかしたものなので、あまり認知されていないかもしれません。ただ、近年日本企業の多くがISO取得を目指しており、毎年申請数が多いのが特徴です。
ISOを取得する主な理由
ISOを取得する主な理由として自社をアピールするのはもちろん、取引相手の安全性や健全性を求めている企業が多いことが挙げられます。とくに、昨今は情報漏洩や工場での事故、さらに環境問題など、さまざまなトラブルが起きています。
そのため、とくに新規の取引の際はISOを取得しているかどうかで判断する企業も少なくありません。たとえば、ISOの中に情報セキュリティマネジメントシステム認証というものがあります。情報セキュリティマネジメントシステムではISO27001で規格化されており、気密性や完全性、そして可用性の基準にクリアした企業が認証を受けられます。
とくにIT企業はもちろん、運送業や機密情報を扱うメーカーなどが取得する傾向にあり、近年注目を集めている認証の一つです。というのも、個人情報や企業情報などの取り扱いには充分に注意しなければならず、情報漏洩が起こると責任問題に発展するだけでなく、企業の信用・信頼が失墜してしまいます。そのため、多くの企業でISO27001の取得を目指しており、さらに取引相手にも取得を求めていることがあります。
ISOを取得するメリット
グローバルライセンスであるISOを取得していれば、クライアントに自社の品質をアピールできるようです。そのため、新しいビジネスにつなげられる可能性があるでしょう。
また、さまざまな審査項目にクリアしなければならないため、社内環境の改善にもつながるのがメリットです。とくに情報セキュリティ関連については、近年非常に重要視されています。社員一人の行動で大きなトラブルを引き起こす可能性も少なくありません。とくに、個人情報や機密情報を取り扱う業種の場合は社内環境を改善するために、ISOを取得するのもメリットといえます。
そのほか、ISO9001で規格されている品質マネジメントシステムについては製造業や建築業で幅広く取得されています。とくに製造業では商品やサービスの品質が非常に重要であり、取引相手もISO取得の有無を見ている場合が多いでしょう。そのため、ISOを取得していることで、自社商品やサービスの品質をアピールでき、新規案件の獲得につながりやすいというメリットがあります。
そのほか、ISO45001では労働安全マネジメントシステムを規格しており、危険な労働環境を排除する目的があります。とくに現場作業や工場勤務者にとっては職場環境が非常に大切です。ISO45001を取得している職場であれば、健全な職場環境を徹底していると判断でき、従業員が安心して働けるのもメリットといえます。
ISOはグローバルライセンスの一つであり、ヨーロッパや北米、アジアなど世界的に浸透しています。日本でも取得を目指している企業が多く、今後もますます注目を集めるでしょう。また、ISOを取得していることで取引相手に自社の品質や安全性、そしてセキュリティ性をアピールできるため、新規案件につながりやすいというメリットもあります。さらに、根本的な社内環境の改善にもつながるため、結果的に会社全体の環境がよくなるというのも利点といえるでしょう。