HACCPとは？導入するメリット・デメリットと認証取得の方法をご紹介

公開日:2024/01/15　　最終更新日:2024/01/12

HACCP（ハサップ）は、食品安全を確保するための重要な制度です。この記事では、HACCPの基本や導入にともなうメリット・デメリット、そして認証取得の手順について詳しく解説します。食品業界や事業者にとって欠かせない情報を共有するので、安全な製品を提供するためのステップについて掘り下げていきましょう。

HACCPとは？
HACCPを導入するメリット・デメリット
HACCPの認証を取得する方法
まとめ

HACCPとは？

HACCP（Hazard Analysis and Critical Control Points）は、食品製造や加工において食品の安全性を確保するための国際的な管理システムです。危害要因の分析と重要管理点の確立を通じて、食中毒や食品事故のリスクを最小限に抑え、安全で品質の高い製品を提供することを目的としています。 HACCPは徹底的な計画と実施を要求し、食品関連の事業者にとって信頼性と安心感を向上させる重要な手法です。

国際的な推奨と日本における導入

HACCPは国際的に推奨され、2018年の食品衛生法の改正により、日本でもその導入が制度化されました。製造工程の段階から食品衛生の管理を行うことで、効果的にトラブルを防ぎ、発生時の対処も容易になります。

HACCP認証とは？

HACCP認証は、第三者機関による審査を受け、製造業者がCodex HACCP基準に基づいた衛生管理を実施していることを客観的に証明するものです。これにより、製品やプロセスが国際的な安全基準に適合していることが外部から認められ、信頼性が向上します。

HACCP導入と認証の違い

HACCPの導入は、その考え方に基づいた取り組みを指しますが、認証は第三者機関による審査を受けて合格したことを示します。企業は単に導入するだけでなく、認証を受けることで、製品やプロセスが安全性を確保するための高い標準に適合していることを外部にアピールできます。

HACCPを導入するメリット・デメリット

HACCPの導入には手間や費用がかかりますが、安心・安全な食品の提供や信頼性向上、事故の未然防止など、これらのメリットを考えると、その効果は大きいといえるでしょう。

こちらでは、HACCPを導入する際のメリットとデメリットについて解説します。

HACCP導入のメリット

HACCPの主要な目的は、食品事故のリスクを事前に予測・防止することです。食品の調理から提供までの工程を厳密に管理し、安心・安全な製品を提供することが期待されます。

また、HACCPの導入には、衛生計画書の作成が必要とされ、これにより従業員の衛生に対する意識向上が期待されるのです。従業員が自発的に衛生管理に取り組む姿勢が養われます。さらに、HACCPを導入することで品質のばらつきが減り、クレームやリスクが低減するのです。

品質の向上により、信頼性の高い企業として消費者や取引先からの信頼を築くことができます。加えて、HACCPは事前にリスクを予測し、対処策を講じることを目的としているのです。これにより、事故の未然防止が可能となり、業務の安定性が向上します。

HACCP導入のデメリット

HACCPの導入には、フローダイアグラムの作成や衛生計画書の作成、日々の衛生管理と記録など、手間と時間がかかります。これはとくに初期導入時に顕著です。また、一部の事業者にとっては、HACCP導入には設備投資が必要な場合があり、これに伴って費用がかかる可能性があります。さらに、HACCPは食品の安全性を高めるための手法であり、全ての食品事故を防げるわけではありません。人間が管理しているため、完全なリスクの回避は難しいです。

HACCPの認証を取得する方法

こちらでは、HACCPの認証を取得する方法とその流れについて詳しく見ていきましょう。

準備と計画

HACCPの認証を取得するためには、まず準備と計画が不可欠です。HACCPチームを編成し、製造工程のフローダイアグラムを作成し、ハザード分析やCCP（重要管理点）の決定を行います。同時に、認証審査への準備も進めましょう。

仮運用

構築したHACCPプランを実際の運用に投入する段階です。通常、認証審査を受けるためには3か月以上の仮運用期間が必要。この期間でプランの実効性を確認しましょう。

第1段階審査

初めての認証を受ける場合、審査は2段階で進められます。第1段階ではHACCPプランの整備状況が確認され、不適合が懸念されるポイントが特定されるのです。

第2段階審査

通常、第1段階審査の1か月半から2か月後に行われる第2段階審査では、HACCPプランの詳細な方針や手順、運用状況が審査されます。作業状況の実地視察も行われるのです。

改善措置

第2段階審査の結果、改善が必要とされた場合は、それに対する適切な措置を講じます。改善が認められれば、初回審査の最終報告書が作成され、登録決定会議にかけられるのです。

登録証の発行（認証取得）

登録決定会議での審査に合格すれば、HACCP認証を取得し、登録証が発行されます。

サーベイランス審査

認証取得後は、最低でも毎年1回のサーベイランス審査があります。これはHACCPプランの適合や維持状況を確認する審査です。

更新審査

HACCP認証は3年ごとに更新審査があります。これにより、プランの適合性や有効性が再評価されるのです。

まとめ

HACCPは、食品安全を確保するための重要な枠組みで、導入にはメリット・デメリットが存在します。認証取得には計画的なステップが必要です。 HACCPとは食品安全のための枠組みであり、導入には慎重な計画が求められます。導入メリットには食品の安心感向上、デメリットには手間や費用が挙げられ、認証取得は構築や仮運用、審査を経て行われるのです。 HACCPの認証取得は段階的なプロセスであり、計画的に進めることが成功のポイントといえます。

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