ISO9001を返上すべきか悩んだら…。やめた企業の理由や返上のデメリットを解説!

公開日:2023/08/15   最終更新日:2023/10/12

ISO9001認証を返上するか否かは、多くの企業にとって重要な決断です。ISO9001認証を持つ企業が返上を検討する場合、そのメリットとデメリットをよく理解することが重要です。またやめた企業の理由も参考となるでしょう。この記事では、ISO9001認証を返上する際の考慮すべきポイントについて詳しく解説します。

ISO9001認証を返上するメリット・デメリット

ISO9001認証を返上することにはいくつかのメリットとデメリットが存在します。

メリット

まず、ISO9001認証を返上するメリットについて見てみましょう。

・審査費用の削減

ISO9001認証を維持するためには、毎年審査費用を支払う必要があります。企業の規模によって異なりますが、経済的な負担となることがあります。ISO9001認証を返上することで、この審査費用を節約できます。

・自社リソースの充実

ISO9001認証の運用にかかる内部監査や審査前の準備作業に費やす時間と労力を削減することができます。これにより、従業員は本業に集中できるようになります。また、人的リソースを他のプロジェクトや戦略に割り当てることが可能となります。

・事業運営の自由度の向上

ISO9001認証に縛られることなく、事業戦略やプロセスの改善を柔軟に行えるようになります。新たなアイデアや変更を素早く実施できるため、市場の変化に迅速に対応できます。

デメリット

次に、ISO9001認証を返上する際のデメリットについて考えてみましょう。

・対外的なアピール力の低下

ISO9001認証は、国際的なレベルでの信頼性を示すものであり、返上することで競争力が低下する可能性があります。取引先や顧客からの信頼を失う可能性もあるため、注意が必要です。

・取引条件の影響

一部の取引先はISO9001認証を要求する場合があり、返上が取引に悪影響を与えることがあります。ISO9001認証を持たないことで、一部の取引先との協力が難しくなる可能性があります。

・再取得の困難性

もし将来的に再びISO9001認証を取得しようとする場合、再構築と新たな審査費用が必要となります。返上後に再度認証を取得する際には、改めて要求事項を遵守しなければなりません。

ISO9001を返上した企業の理由

ISO9001認証を返上した企業は増加傾向にありますが、その背後にはさまざまな理由が存在します。以下は、企業がISO9001認証を返上する主な理由です。

取引条件の変化

一部の大手企業はISO9001認証を取引条件にしない傾向があり、これに合わせる形でISO9001認証を返上する企業が増えています。大手企業の独自の品質管理システムを運用することで、ISO9001認証を必要としない場合もあります。

コスト削減

ISO9001認証を維持するためには、審査費用や内部監査などのコストがかかります。これらのコストを削減し、経営資源を他の重要な領域に投資するために、企業はISO9001認証を返上することを選ぶことがあります。

運用の複雑さ

ISO9001認証を取得・維持するためには、特定の要求事項に従ったマネジメントシステムを構築し、継続的な改善を行う必要があります。一部の企業は、これが通常業務と分離し、運用が複雑になることを理由にISO9001認証を返上します。

自己適合宣言

一部の企業は、ISO9001認証を返上した後も、自社がISO9001の要求事項に従ったマネジメントシステムを運用していることを示す自己適合宣言を行います。これにより、ISO9001認証を持たないままでも顧客や取引先に信頼を示すことができます。

これらの理由から、ISO9001認証を返上する企業が増えている一方で、ISO9001認証を維持し続ける企業も存在します。企業は自身の状況と目標に合わせて、ISO9001認証を返上するかどうかを検討する必要があります。

ISO9001をやめなくて済む方法はある?

ISO9001認証を返上する前に、ISO9001認証を維持しながらも効率的に運用する方法も存在します。以下は、ISO9001認証をやめなくて済む方法についての考え方です。

対外的なアピールの活用

ISO9001認証を持つ企業は、そのアピール力を活かすことが重要です。ISO9001認証を持つことで、信頼性や品質への取り組みを示すことができます。これを顧客や取引先にアピールポイントとして活用しましょう。

コスト管理

ISO9001認証を維持するためのコストを効果的に管理しましょう。審査費用や内部監査の工数を最小限に抑え、コスト削減を図りましょう。

自己適合宣言

ISO9001認証を持たないままでも、自己適合宣言を行い、自社がISO9001の要求事項に従ったマネジメントシステムを運用していることを顧客や取引先に示すことができます。ISO9001認証を持たなくても、信頼性を高める手段として活用しましょう。

まとめ

ISO9001認証を返上するかどうかは、企業の状況や目標に合わせて検討すべき重要な決断です。返上のメリットとデメリットをバランスよく検討し、必要に応じて自己適合宣言を検討することも一つの方法です。

企業の選択は、その後の事業展開に大きな影響を与えるため、慎重に判断しましょう。また、ISO9001認証を維持しながらも効率的に運用する方法を活用することで、返上を回避できる可能性もあります。

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ISOプロの画像 引用元:https://activation-service.jp/iso/lp/
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